FC2ブログ

租税法解釈の基本は「文理解釈」

租税法解釈の基本は「文理解釈」

繰越欠損金の引継ぎに関する「みなし共同要件」についての裁判所の判断と当時の立法作業関係者の解説が興味深く、過去の租税法の解釈に関する判例との比較においても非常に興味深いです。

 ホステスからの源泉徴収が争われた事件で、控訴審は「法令の解釈に当たり、原則として文理解決に徹すべきであるにせよ、法令の文言を変動するあらゆる社会事象に余すところなく対応させることなど立法技術上不可能であるから、当該法令の趣旨・目的を十分に参酌した上で、その法令の文言の解釈を行うべきものであることは、一般に法令の解釈において基本的な遵守事項とされているのであり、このことは租税法令の解釈においても何ら異なるところはない。そして、法におけるホステス報酬等の源泉徴収制度の趣旨・目的をも参酌した上で上記法条を解釈すれば、本件各集計期間のうち本件各ホステスの実際の出勤日数と解すべきことに合理性があることは前記引用に係る原判決説示のとおりである。なお、こうした解釈は、「期間」という文言から受ける印象からは外れるところがあるようにも感ぜられなくもないけれども、上記の文理解釈の範囲を逸脱するようなものであるとはいえない。」として、納税者の主張を排斥しました。
 しかし、最高裁は「租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではなく、原審のような解釈を採ることは、上記のとおり、文言上困難であるのみならず、ホステス報酬に係る源泉徴収制度において基礎控除方式が採られた趣旨は、できる限り源泉所得税額に係る還付の手数を省くことにあったことが、立法担当者の説明等からうかがわれるところであり、この点からみても、原審のような解釈は採用し難い。」と判断しました。

 欠損金の引継ぎに関する「みなし共同要件」については、4要件と2要件とがあり、本職の勘違いかもしれませんが、本制度制定当時、2要件は4要件の救済的措置と解説されていたと記憶しています。もしそうであるならば、法人税法57条に反するとしての否認は難しいことになります。したがって、同法132条の2の適用となったのでしょうか。

平成26年9月8日 所長:中村慈美

中村慈美税理士事務所HPはこちらをご覧下さい。
プロフィール

中村慈美税理士事務所

Author:中村慈美税理士事務所
当事務所は、最新の情報に基づく迅速かつ的確なサービスの提供をモットーに、法人のお客様を中心に税務コンサルティングを行っております。

著書のご紹介
法人税重要計算ハンドブック       令和2年度版               日本税理士会連合会 編          中村慈美・小松誠志他 共著
中央経済社                令和2年7月1日発行
著書のご紹介
令和2年度税制改正早わかり             中村慈美 共著
大蔵財務協会              令和2年3月26日発行
著書のご紹介
連結納税制度大改正           グループ通算制度早わかり                  中村慈美 著
大蔵財務協会                令和2年3月16日発行
著書のご紹介
貸倒損失をめぐる税務処理        専門家からのアドバイス30選       中村慈美 共著              
大蔵財務協会              令和元年10月26日発行
著書のご紹介
図解組織再編税制 令和元年版           中村慈美 著
大蔵財務協会              令和元年9月17日発行
著書のご紹介
図解グループ法人課税令和元年版 中村慈美 著    
大蔵財務協会              令和元年7月8日発行
著書のご紹介
五訂版 企業の保険をめぐる税務         中村直美・中村慈美 共著                                           
大蔵財務協会                平成30年10月26日発行
最新記事
カテゴリ
リンク
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード