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情報の非対称と正当な理由(政府税制調査会に期待)

情報の非対称と正当な理由(政府税制調査会に期待)

 Lotus21のニュースPRO№1195に、裁判所が役員退職給与の適正額が争われた事件で原告主張の「最高功績倍率」は不合理で、被告国が同業者類似法人を抽出するために用いた抽出基準が合理的と判断した記事が掲載されています。
 本件事件は、功績倍率を原告企業がTKCのデータベースに基づき同業類似法人を抽出し適用したのに対し、被告国はその抽出対象法人がTKC会員関与法人に限られており、抽出対象地域が全国となっていることなどから不相当であるとし、裁判所も被告国の主張を認めたものです。
 本職は、国の主張や判決に異を唱えるつもりはありませんし、原告企業の主張に賛同するものでもありませんが、実務において役員退職金の適正額の算定は、大変悩ましい問題です。

 納税者と国とでは、入手できる情報量も異なる、いわゆる情報の非対称が生じているのですから、国はそれら関連情報を公表すべきではないでしょうか。もしそれができないのであれば、納税者ができる限りの努力をして入手したデータを基に計算した役員退職金については、仮に過大であったとしても、「正当な理由がある」と認め、少なくとも加算税の賦課決定処分を行わない対応をすべきではないかと考えます。
 
 このニュースPRO№1195に政府税制調査会長に就任された中里実東京大学教授のコメントが掲載されています。同教授は目指すべき政府税調について「執行の現場の声に耳を傾け、経済の方の意見にも耳を傾けて、あまり独善的にならないようにしたい。租税制度を現場で動かしている税理士、税務職員、納税者の方々が戸惑わないようにいろいろ考えていきたい。」と述べられています。大いに期待したいと思います。

平成25年6月28日 所長:中村慈美

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プロフィール

中村慈美税理士事務所

Author:中村慈美税理士事務所
当事務所は、最新の情報に基づく迅速かつ的確なサービスの提供をモットーに、法人のお客様を中心に税務コンサルティングを行っております。

著書のご紹介
法人税重要計算ハンドブック       令和2年度版               日本税理士会連合会 編          中村慈美・小松誠志他 共著
中央経済社                令和2年7月1日発行
著書のご紹介
令和2年度税制改正早わかり             中村慈美 共著
大蔵財務協会              令和2年3月26日発行
著書のご紹介
連結納税制度大改正           グループ通算制度早わかり                  中村慈美 著
大蔵財務協会                令和2年3月16日発行
著書のご紹介
貸倒損失をめぐる税務処理        専門家からのアドバイス30選       中村慈美 共著              
大蔵財務協会              令和元年10月26日発行
著書のご紹介
図解組織再編税制 令和元年版           中村慈美 著
大蔵財務協会              令和元年9月17日発行
著書のご紹介
図解グループ法人課税令和元年版 中村慈美 著    
大蔵財務協会              令和元年7月8日発行
著書のご紹介
五訂版 企業の保険をめぐる税務         中村直美・中村慈美 共著                                           
大蔵財務協会                平成30年10月26日発行
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